◆ 2006年日本SF大会企画結果報告 ◆
加藤法之
去る7月9日3時半(午前だよ、言っとくけど)、例年のようにSF大会自主企画として机上理論学会はプレゼン形式の発表を行った。が、観客は8人...。ひとこと言いたいのを我慢して、まずは内容の紹介と反省をしようか。
1.ちょっとだけ気になる5.1ch(2005年後期掲載)
童謡ネタが頑張りすぎで長くなったので、これを一番にもってきた。5.1chの“.1”って気になるよね、ってネタで、後半のベムネタは大勢いれば悪乗りしたんだけど、人数的にあっさりと流した。
2.どじっ娘の行方(本論文集掲載)
高松塚古墳の内部を傷つけたのはMeたんであるという内容。一応ウケてくれたからまぁよしとするけど、ネット絡みのネタは一般性が低いからホントはやらないほうがいいんだよね。(でも、次のネタへの流れをつけたかったってこともあった。)
3.リアル特撮事件簿(渡辺ネタ)
最近のニュースが山が崩れたり船が沈んだりしているのは怪獣が原因なのではないかと言う見方について。ウルトラマンネクサスのTLTが実在したらと言う部分は良く考えたら説明しなくて良かった。
4.あかとんぼ編年(本論文集掲載)
石炭紀のところで受けを取れるのはだいたい計算済みだったが、一旦流れがわかると2番以降は笑いにくいと思ってちょっと飛ばし、最後もぼかして済ませた。本論を読んでもらえば判るけど、オチは自画自賛ネタなので、この人数で誇らしげに語るのは空しいだけと思ったのね。(小理屈を捏ねてるとみんな寝ちゃうからってのもある。)あと、次のネタに渡すためには笑いを取ってお客さんの頭をはっきりさせておく必要があると感じたので、確実に笑いを取れると計算していた池田くんネタに早くもって行きたかったということがあった。
5.時を止める少女(さうす氏ネタ、本論文集掲載)
エンデの『モモ』はスタンド使いだったという内容。この小説、マイナーとはいかずとも古い作品なので、省略できない概要説明だけで、巻いても数分を要した。聴衆である大会参加者が得意な特撮やアニメ、普遍的な童謡等が題材の場合より難しい部分だろう。深夜枠で序盤の説明が冗長だと眠くなるので、駆け足の発表になったのはいたしかたないところ。
なお、毎回発表に用いるプレゼンテーションは論者ごとに準備して現場で結合していたのだが、さうす氏の用意してきたデータはPowerPointと互換性が取れなかったため、本論文のみOpenOffice.org Impressに切り替えて行った。現場あわせの限界を感じた点であった。
6.小ネタ全般
Web掲示板からのひあろ氏伝授の“肯定的考察ネタ”はさすが氏ならではのネタだったけれど、この環境でお客さんに自主的に考えてもらうのは無理があった。
7.小人の就労事情(本論文集掲載)
グリム童話の靴屋の小人が実在していると言うネタ。これは証明や論理の説明ではなく単なる感想や思い付きでオチらしいオチもないのだがやや受けていた(気もする)ことからも分かるが中々楽しめる話だったと思う。
8.星になる人(2005年後期掲載)
星一徹に頼んで星の指し方を指南してもらおう。ってネタ。時間が無いから短いのってことでやったんだけど、ちょいうけしてまず安心。でも星一徹の絵は、後から見るとタイガースのユニフォームを着ていた。
内容はこんなところ、ネタ的には例年に比べても引けを取らないものだったと思うし、発表もまぁ大きな失敗は無かった。そういう意味では我々も成長したもんだと胸を撫で下ろしてよいところと思われるんだが、いかんせんお客さんが8人しか集まらなかったのは最大の誤算だった。いつもいらしている方の顔を加藤は忘れないのだが、それら方々もこられないような状況で開催せざるを得なかったというのは大失敗であった。お金云々はまだしも、発表の準備にかけた努力のコストパフォーマンスがあまりにも低かったので、真実、かなり落ち込んだ。
が、これは誰のせいでもない、自分のせいだってのがまた落ち込む。大会の担当者さんとのやり取りの中で、うっかり“最後でもいいですよ”なんてことを具申してしまったんだよね。これはもちろん同環境で行った2002年の島根大会での実績と、去年の横浜大会での人数&内容的成功を受けて、ある程度“大丈夫だろう”という目算があったからだった。のだけど、ふたを開けると(始まってみると)これが大誤算。内心「うわ。少なっ!」って叫んじゃったもの。
なんというか、平均年齢が毎年上がっていくSF大会において、夜中の3時半開催というのはさすがに無理があったんだろうね。次回からは“トップバッターの机上理論”みたいなフレーズで行こうかなぁ。
こうしたイベントは、もちろん内容を面白くする演出的努力ももちろんなんだけど、聞いてくださる環境を用意するプロモート的な努力も怠ってはいけないことを痛感した。
まぁ、なんのかの文句言っているが、二ついいこともあった。まず、あの環境でなお来て下さった方々がそれでもいらしったこと、更に方々は(寝てても)帰ろうとはなさらなかった訳で、そのことには深く感謝しなければいけない。ありがとうございました。
もう一つ。これは加藤や渡辺の悲願であった、発表の仲間が増えたってこと。数年前から論文集に掲載してくれていたさうす氏が一本携えて発表してくれたことは我々にとっては言葉に尽くせぬ有難さだったのだ。またお願いね。>さうす氏
とにかく、失敗にもめげず進み続けるのが机上理論のいいところなので、来年も負けずに発表します。来年こそ来てね。
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