2004年日本SF大会企画結果報告

 2004年8月21〜22日に岐阜県岐阜市にて開催された第43回日本SF大会G-CONで、机上理論学会は論文発表会を行いました。
 以下に発表を行った加藤の結果報告を掲載します。



加藤法之

 机上理論学会は今年8月21日〜22日に行われた第43会日本SF大会G-conにて、うち22日、今回も机上理論学会発表会として1時間半の発表を行った。会場は120名規模の大部屋で、全部で30人くらいの方が聴講して下さった。

 今回の私の出し物は5本。
(i)童謡解析シリーズ“さっちゃん”(‘04年前期論文集に二本収録)
 さっちゃんの歌は短いので、『阿川佐和子さんの将来を暗示している』『さっちゃんは宇宙へ行った』なる二つの視点からアプローチをしてみた。論文集ではこれを藤野論文と加藤論文で載せている。ウケは中の下といったところか。これに限らず、タイミングを重視するパワーポイントは自分で操作しないと駄目だと実感した。

(ii)ワープ・妄想の行き着く先(‘03年後期論文集収録)
 ヤマトのワープは思い付きを科学的根拠としていた、という内容。ヤマトのワープは森雪が裸になっちゃうシーンに尽きると思う(現に、“森雪”“ワープ”でグーグル検索すると、結構な数がかかる)のだが、この映像を探すのに(加藤地元の)名古屋中のビデオ屋を探しまくった。その甲斐があったのか無かったのか、これに絡んだオチは少しだけ受けた。

(iii)かぐや姫の正体(‘03年後期論文集収録)
 かぐや姫は爬虫類で、実は火吹き竜であるということを、物語から読み解くもの。個人的には‘03後期論文集の目玉だと思っていた作品。これを書いているときは書いてるそばからアイデアが湧いてきて自分でも驚いていた。とそれほどの作品なので、発表でもミドルヒットくらいはして、ほっとしている。

(iv)ドラえもん資本主義
 ドラえもんの道具の扱い方から、ドラえもんが作られた23世紀の社会状況を高度に発達した資本主義社会だという推測をするもので、発表オリジナル。
 経済学用語バリバリであまりに学術的にしすぎたためか、感心はしてくれたが、肝心のウケが今一つだった。

(v)机上理論の解説
 これも発表オリジナル。机上理論の方法論を机上理論的に解説してオチをつけるというもの。だったが、難解な内容の上に、私の発表の手際が悪いことが災いして、まるでウケずに残念。前述の資本主義でもそうだが、内容に会場が飽きを感じた場合、どのように軌道修正するかというのが今後の課題だ。

 総評すれば、正直今回は“ウケなかった”、だろう。私は論文集で好評だったもの3本、本発表が初出のものが2本という具合に、ネタ的にはかなり万全のつもりだったにも拘わらず、である。だから今回、大いなる勉強の機会という認識でいる。  今回は相棒の渡辺が非常に多忙につき、私が全部ぶっ通しでやるということになり、まぁ長く話すこと自体は別に構わなかったのだが、だいたいその方針が決まったのがほぼ当日だったものだから、さすがに構成的に破綻したところがあり、その辺り来室していただいた方々にも薄々見抜かれてしまい、娯楽の提供側としては申し訳ない限り。  次回はそういったことも踏まえた段取りを考慮し、今回の失敗を乗り越える形で、更なる娯楽を提供するよう頑張るつもりなので、懲りずにまたご来場くだされたく。






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