2003年日本SF大会企画結果報告

 2003年7月19〜21日に島根県玉造温泉にて開催された第42回日本SF大会で、机上理論学会は論文発表会を行いました。
二日目午後3時からの1時間半という大会終盤に行われた発表会でしたが、多くの参加者に聞いて貰うことができました。ありがとうございました。音響やプロジェクタ等の準備が完全でなかったため聞きずらい場面もあったようで、申し訳ありませんでした。発表した内容の一部は2003年前期論文集に収録されています。
 以下に発表を行った加藤、渡辺両名の結果報告を掲載します。


2003年SF大会T-conにおける机上理論学会発表会の模様

加藤法之

 2003年7月19〜21日に、栃木県はホテルニュー塩原にて行われた、第43回日本SF大会T-conの第二日目15:00から1時間半、今年も机上理論学会発表会を行った。

 例年のごとく机上理論の説明から始まり、加藤発表渡辺発表でそれぞれ
1.童謡解析(ももたろう)
2.ファミレスの挨拶
3.星力測定法
4.ギャオスはソプラノか
5.マンガ家特区を作ろう
6.O型はなぜなくならないか
7.とうふの角に頭をぶつけて死ぬ方法
8.その他ネタ紹介
を行った。

1.は本論文集にも収録されているから詳細は略すが、関西弁からみでおまけとしてだしたチャウチャウのネタが随分と引っ張られる結果になったのは失敗だった。あれほど既知のネタだとわかった時点でさっさと次に行きたかったのだが、意に反して議論が間延びしたため、案の定聴衆の皆さんの印象が集中する結果となった。人のネタは二度とやらないと肝に銘じた。
2.これは'01年下期論文集に載った“ファミレスにおける挨拶の方法論”を少し改訂したもの。意外にウケたので良かったとしよう。
3.これは学会員である杉山氏の作品だ。去年好評を博したアニメ・コメットさんの関連商品であるタカラのラブリンバトンを使って、世の中の星力を測定する、というもので、着想は良かったため、結構ウケたが、測定対象がマニアックすぎるというあたり、受け手の反応に如実に出たのが弱点だ。とはいえ、実証主義の論文は加藤論文の最も苦手とするところであり、恋力の件での大受けは氏の面目躍如といったところだろう。
4.なんと'95年の掲載作品だ。加藤作品の中でも個人的にレベルが高い作品と思っているが、何せ古いのでどうしようかと毎年思っていたのだが、たまたま林屋しん平師匠の力作“ガメラ4”が上映されていたので、こりゃタイミングいいやと発表した。論理が目茶目茶になる前の加藤論文だったので論理展開に着いてこれなかったら致命的に失敗するところだったが、オチの“重い出”は結構ウケたのでほっとした。が、明らかに後ろの人には見えていなかったようだ。

 今回の発表会の反省としては、(i) 広すぎた会場、(ii) 自分達の発表する技術の拙さが際立ったこと、の二点が大きいだろう。
 (i)は、パワーポイントを投影して話を進めていく形態での弱点が出たと言えよう。会場の大きさが判ったのが行ってからなので、どうしようもないと言えばそうなのだが、プロジェクタを遠くから映すなどの機転が必要だったところだ。ちなみに、今回の加藤発表作品の中に新作が一つしかないのは、ところどころ笑いをまぶさないと後ろの人が退屈すると考え、論理で押す新作は不向きだと判断したからだ。小ネタを執拗に続けたのがバランスを欠いたように見えたかもしれないが、お客さんを眠らせないための、あれは結構苦肉の選択だったのであった。(結局寝てみえたけど。(>_<) )>
 (ii)はまったくもって猛省すべきところ。というのも、何年か発表をしていた関係で、おかげさまで今回集まっていただいた聴衆の皆さん(の一部)からは明らかに“楽しみにして”いらして下さった雰囲気が感じられたからで、期待に違わぬ成果を挙げられない自分が歯がゆくてならなかった。素人発表の拙さを甘受してもらえる時期は過ぎたことを、嬉しくも厳粛に感じねばならない。

 とまれ、失敗を糧にするからこそ次回へのステップアップが図れるというもの、今回のことを教訓にして次回こそ、満足のいく笑いを提供することを誓って、今回来場していただいた方へのお詫びといたします。
 ありがとうございました。


渡辺ヤスヒロ

5.今回の一発ネタとしては切れ味の悪いものでした。が、割と現実的でなおかつ机上理論っぽいという部分が気に入っていたため紹介しました。 6.元は「血液型に相性があって、それで生まれる子供の数が左右されたりしていればいつかどれかの血液型がなくなったりしてしまう。」という結果が出ると思い計算を始めました。つまりどの血液型もなくなっていかないのは相性なんてないからでしたという結論を期待していたのです。予定通りの展開にならなくても楽しいです。机上理論学のネタはオチやダジャレを考えるばかりでないということを説明したかったのですが、発表方法が下手で上手く説明出来ていませんでした。申し訳ない。
7.これこそ論理展開の速さと単純なオチでのSF大会向きネタだったかも知れません。準備不足で口でさらっとすませてしまいましたけど。 8.今年は割と低調だった気がしますが、発言者のプレゼンテーションが上手くなかった点にも多く問題があったと思います。皆さんからのネタ提供にも期待しています。

今回は私的な部分で色々と大変なことがあり、ほとんど机上理論学会としての活動が行えませんでした。そのため発表内容にも不満な部分があったと思います。その点で大きく反省しています。
次回SF大会は地元岐阜大会。大いに期待して下さい。



発表会の様子。広い部屋でした。


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