木賃ふくよし(芸名)
恐ろしい事実に気付いてしまったのである。
正しくは、他人の発言で知ってしまったのですが、恐ろしい事実を知ってしまったのです。
子供のヒーローと言えばやっぱり欠かせないのはロボット。
これまで、数々のロボットアニメが生み出されてきた訳ですが、これらには恐るべき共通項が隠されていたのです。
それは――、
ロボットの名前には、必ず濁音が付く。
そう。ワタクシが知る限り、ほぼありとあらゆるロボットの名前には濁音が付くのである。
知名度で言えばトップとも言える機動戦士ガンダム。確かにカンタム(クレヨンしんちゃんではない)ではカッコが付かない。どうやら子供たちはとにかく濁音に憧れるらしいのだ。ガンダムの放送枠で放映された番組で考えても、
ザンボット3 → サンホット3では喫茶店みたいだ。
ダイターン3 → タイターン3ではファンタジーだ。
イデオン → イテオンだとマイナスイオンとか飛ばしそうだ。
ザブングル → サフンクルだと、ドモホルンリンクルの方が強そうだ。
ダンバイン → タンハインじゃタンホイザーには勝てない。
エルガイム → エルカイムじゃ、きっとエルム街の悪夢に負ける。
ドラグナー → トラクナーだったら、トラクターにさえ勝てそうにない。
他の番組でも考えてみよう。
ダグオン → タクオン 濁音にさえ届かない。
エクスカイザー → エクスカイサー ダメだ。
ファイバード → ファイハート 足りない。
ダ・ガーン → タ・カーン キラーカーンどころか、チャカカーンにさえ負ける。
ガオガイガー → カオカイカー 顔が痒くなる。
マイトガイン → マイトカイン 東急インの方が便利そうだ。
ゴルドラン → コルトラン コルトマグナムも撃てそうにない。
バイファム → ハイファム ハイファイの方が強そうだ。
オーガス → オーカス フォーカスにもオービスにも勝てそうにない。
サザンクロス → ササンクロス サンタクロースみたいだ。
トライダーG7 → トライターシーセフン スカスカな感じだ。
鉄人28号 → てつしんにしゅうはちこう 忠犬ハチ公にも負けそうである。
マジンガー → マシンカー 科学戦隊ダイナマンに出てきそうだ。
ゲッターロボ → ケッターロホ 実は、けったマシーン(自転車)か?
グレンダイザー → クレンタイサー クレンザーにも傷付きそうである。
モスピーダ → モスピータ モスバーガーの新商品だろうか。
ゴーショーグン → コーショークン 中国人みたいだ。
ダンガードA → タンカートA ピチカートファイブの方が歌えそうだ。
ダグラム → タクラム 企む・・・ってイヤなロボだな。
ボトムズ → ホトムス ホームズとワトソンを足した感じだ。
ブライガー → フライカー 今日の晩飯は魚のフライかー。
サスライガー → サスライカー ・・・キャンピングカー?
ダイオージャ → タイオーシャ 対向車の方がまだ怖い。
飛影 → とひかけ 問ひ掛けたい。
ゴーグ → コーク 飲物になっちまった。
ガルビオン → カルヒオン ヒカルオンではない。
ガイキング → カイキンク 甲斐ファイブの方が強そう。
ギンガイザー → キンカイサー 金塊の方が高い。
ゴッドシグマ → コットシクマ ツキノワグマの方が強いだろう。
ダイアポロン → タイアポロン タイヤがぽろっと取れそうだ。
ダイモス → タイモス。
バルディオス → ハルティオス。
ガリアン → カリアン。
ドルバック → トルハック。
ダンクーガ → タンクーカ。
コンバトラーV → コンハトラーフイ。
アルベガス → アルへカス。弱そうなことこの上ない。
ゴーバリアン → コーハリアン。
ゾイド → ソイト。
ビスマルク → ヒスマルク。
アクロバンチ → アクロハンチ。
エヴァンゲリオン → エウァンケリオン。
駄目だ。駄目すぎる。ホントに駄目すぎる。
で。無論幾つかの例外はある。
例えばマクロス。濁音は見当たらない。しかし、コレは主役ロボの名前ではなく、主役ロボの名前はバルキリー。ハルキリーだとハラキリに負けそうな勢いだが。
同じ例でいくと、トランスフォーマーに濁音は付かないが、主役ロボはコンボイ。やっぱり濁音付き。プラレス3四郎や魔神英雄伝ワタルの場合でも同じで、柔王丸、龍神丸のじに濁音がある。テッカマンでさえ、ペガスだったり、キャシャーンでさえフレンダーだったり。
コメディタッチのケースではどうかと思ったが、ロボタンだったり、ゼンダマンだったり、ヤットデタマンだったり、ヤッターマンのヤッターキングにさえ濁音が付く。なんと、ドラえもんさえ濁音付きなのである。
いや、主役ロボに限らない。ガンダムを例に取ると、ザク、グフ、ドム、ゲルググ、ギャン、ジム、ボール・・・、そのほぼ全てに濁音が付く。
何だコレは? ロボットには濁音が付かないと駄目なのか?
いやいや、調べてみたところ、ロボットの名前には濁音が付かなければならないという律はほとんど見当たらなかった。この事実に気付いている人もいるのだろうが、それは決して多くないだろう。
すると、これらの命名者は気付かずに濁音を使っていた可能性が高い。よくよく考えると、例外の率は上がってくるものの、特撮ロボット(レッドバロンとか)、特撮ヒーロー(宇宙刑事ギャバンとか)、果ては敵メカ(クレージーゴンとか)から敵怪獣(キングギドラとか)、怪人(ダダとか)まで濁音を使っているケースが多い。
要するにアレだ。
濁音の角い感じにはロボットらしさが込められてたりする気がするし、濁音が付くと何か強そうだし、濁音には何だか憧れちゃうよねって事なのかも知れない。
そんな話をしていると、知人が呟いた。
「鉄腕アトム」
ここまで見事な例外、しかも有名で決定的なのが出てくると困ったモノである。
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