神様は実績重視か?

加藤邦道




神様と呼ばれる人たち(人ではないが)がいる。この世の中には唯一神から八百万の神々まで、それこそ無数に存在している。
今回注目したいのは、どんな宗教においても神様は必ず何らかの奇跡を起こしているという事実である。それが人間にとって益となるか害となるかはともかく、大きなものから小さなものまで彼らは様々な超自然現象を起こしている。それは特に新興宗教において顕著で、新興の神様はこれ見よがしに奇跡を連発するのが普通である。
これらの事実をそのまま素直に受け入れていると、神様は奇跡を起こさなければならないような錯覚に陥ってしまう。現に神様は今までいくつの奇跡を起こしたか、どれほど大きな奇跡を起こしたかといった実績でのみ評価されている。しかしそれではちょっとかわいそうではないか。世の中には奇跡を起こさない神様もいるだろう。縁の下の力持ちに徹している神様もいるだろう。表には出てこなくても、みんな精一杯頑張っているんだ。公平に信じてあげるべきだ。

神様の方も、記録に残るような奇跡を追いかけるのではなく、みんなから愛される「記憶に残る」神様を目指してほしいと思う。

記憶に残る神になれ
いくら神様が奇跡を起こしても印象が薄ければ、人々の記憶に残らない。
天覧試合でサヨナラホームランを打ったり、敬遠球を打ったりした神様も今年は監督引退となってしまった。




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