この国の諸問題を一気に解決

スネーク・アイ



 わが国の最大の問題は、債務赤字である。いまや650兆円になる赤字は、国鉄や銀行救済のつけよりも、年々の赤字国債の発行によるところの結果である。
 為政者は、単年度の業績隠しのために国債を発行して、債務の帳尻を毎年賄ってきたのである。今年の総選挙を見ても、自民党が惨敗したにもかかわらず、またまた政権を担う矛盾は、何処にあるのだろう。彼らは惨敗を覆うために二つのことを行うであろう。すなわち、公共投資で景気の好転を願うのではなく、地元に恩返しをするだけである浅薄な発想を持つことであろう。公共投資のもっとも盛んな、沖縄も北海道も島根もわが国の低所得地域となっている事実を確認しようではないか。今一つは、国債の発行である。単年度収支決算の、短期的視点しか持たない内閣の選択としては、当然の帰結である。つまるところ、わが国の将来は見るも無残な姿になることである。
 加えて、高齢化社会は目前に迫っている。この国は、生産性がなく負債を大量に抱えた、公共事業のメインテナンスを必要とされる、社会資本の高齢化も問われるのである。

 650兆円の負債を抱えながらも、この国の住人は1300兆円の預金を抱えている。しかもその70%は65歳以上の高齢者の預金である。
 そうである、65歳以上の高齢者を抹殺して、彼らの預金を収奪し国費に当てることによってあらゆる問題が一気に解決されるのである。国の経済は、活性化し、高齢者社会もなくなり、何よりも国の財政が健全化する。
 彼ら高齢者は、ナショナリズムを教育の根幹として育った世代である。自らの抹殺が、お国のためになることを、必ずや歓喜の中に受け入れることであろう。
 安易なヒューマニズムは、清冽な目を曇らせる。今こそ決断のときである。



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