その後の永久機関

高橋英明



 先のモデルに対し指摘を受けた内容を報告申し上げます。

 気体分子の数量が十分に多くなると、密度差が生じます(地球の大気を見ても、低空で大きい密度となります)。その様な状態では、各方向毎の衝突頻度に偏りが生じ(総和では上向きの運動が生成され)重力と相殺し、等温に至り平衡する・・・という可能性が指摘されました。

 その問題を回避するため、分子の数量を抑えねばならぬかもしれません。実現性からは遠く離れること必至です・・・が、原理上 第二種永久機関が可能なことは否定できていないと思います。矛盾点等、ご指摘いただければ考慮します。よろしくどうぞ。

 さて、「トンデモ科学の連中は、ろくに勉強しやがらない」(調査もろくに行わない)などと 揶揄される今日この頃ですが、例えば 永久機関に関する書籍が どれだけありましょうか。
 物理関連の書籍にせよ、未だに「ステヴィヌスの墓銘(※)」の様な、明らかに破綻した(エネルギーの定義に抵触するような)モデルを否定して、説明を終えていたりしませんか?

ステヴィヌスの墓銘:
断面が三角形(辺の比が3:4:5)になる斜面と鉛直面におもりつきの鎖を回した絵が刻まれているらしい。
この鎖が自発的には回転しないことをもって第一種永久機関の否定に用いられる、典型的モデルです。
こんな感じです。詳しくは参考文献[i]を。


 時代と共に知識が伝播し、認識の水準も努力次第で向上が可能なはずですから、発想の可能範囲も広がっています。
 トンデモ科学者を非難なさるなら、旧時代の明らかに破綻したモデルに満足せずに、最新のモデルでの検証をお奨めしたいです。

 日本国内では永久機関の特許も可能なのでしょうか。特許関連の話もちょこちょこ顔を出しています。しかし、著作権的な都合なのでしょうか、明らかに小馬鹿にした扱い方で、検証するにも具体的な記述はお目にかかれません。

 風の噂で小耳にはさんだ次に示すモデルは、国内で特許庁に出願された(が、当然棄却された)経緯を持つといわれる、箔の付いた逸品です。所詮噂ですから信憑性はご容赦下さい。

1 水圧は、密度と深さによって定まる。
2 淡水の密度は、海水の密度よりも小さい。
3 同じ水位を持つふたつの、海水を湛えた(たたえた)容器と、淡水を湛えた容器を半透膜を介し繋げると、浸透圧により、海水が薄まり、海水側の水位が上昇する。
4 容器の深さが大きくなると、深くなるにつれて海水の圧力上昇は淡水の圧力上昇よりも大きいので、ある深さで浸透圧の結果の水位が等しくなる。(同じ水位でも、半透膜を挟む圧力は、海水側の方が大きい)
5 (10kmを越えるらしいが)十分な深さをもたせることにより、逆浸透が発生し、淡水が製造される。
6 更に深度を持たせることにより、平衡状態で淡水の水位が海面を上回るので、水位差を利用してエネルギーを取り出せば、永久機関の誕生である。(水車を回した後の淡水の排水は、海水に捨てる。塩分の拡散に熱を用いた、第二種永久機関である)

どうです? あなたは 論理的な否定ができますか?



注釈

12 モデル:
 1999年前期論文集に、永久機関に関する論文が掲載されました。熱エネルギーを位置エネルギーに転換し温度差を生じるモデルです。
注釈

13国内:
 米国で永久機関の特許は審査すらして貰えないそうです。
注釈

14特許関連の話:
 最近では、宝島、トンデモさんの大逆襲(?とか言う本でちょっと見かけました)


 参考文献:
[i]岩波書店 ファインマン、レイトン、サンズ
「ファインマン物理学 I 力学」



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